基礎的特性の測定方法

 膨潤性は,日本薬局方ベントナイト試験法に従って膨潤力を測定した。すなわち水分8.0%に調整した試料2.0gを,蒸留水100mlを入れた100mlの共栓メスシリンダーに約10回に分けて加える。このとき,前の添加物がメスシリンダー底に沈着してから次ぎの添加を行う。24時間放置するとき,メスシリンダー底部の試料の塊が膨潤した見掛けの体積をメスシリンダーの目盛から読み膨潤力SP(cm3/2g)として表示した。

 

粒度は,蒸留水500 ml に分散剤としてヘキサメタ燐酸ナトリウム 0.2 g を加え溶解した後,試料 5.0 g を加えてディスク型高速攪拌機(ハミルトンビーチミキサー)で 30 分間攪拌し,一夜放置後さらに 1分間攪拌して懸濁液を調製した。この懸濁液からアンドリアゼンピペットを用いる沈降法で 5μm2μm 及び 1μm (ストークス相当球径) の通過百分率 (%) を求めた。土粒子の密度は,溶媒にケロシンを用いたピクノメーター法によった。

 

 陽イオン交換容量 ( CEC ) 及び浸出陽イオンは,最も標準的な酢酸アンモニウムを用いるショーレン ベルジャー法8)によりCECを測定した。また,その分析過程で得られる最初の酢酸アンモニウム浸出液中の陽イオンを原子吸光分析法により定量した。したがって浸出陽イオンは試料中に含まれる交換性陽イオン及び水溶性塩由来の陽イオンの全てを含むが定量は Na+K+Mg2+Ca2+4元素とした。

 

可溶性シリカ切片値は,還流冷却器を付した三口フラスコ中で90℃の1 N-水酸化ナトリウム水溶液500 ml に試料 5.00 g を投入し,攪拌しながら所定時間間隔で内容液を取り直ちに遠心分離して上澄液を採取しモリブデンイエロー法により溶出シリカ(いわゆる比色シリカ)を比色定量した。

 

 5.3にベントナイト中の溶出シリカ質量百分率の求め方を示す。同溶出操作は300分間行い時間平方根に対してプロット9)し,回帰直線を外挿して時間ゼロにおける比色シリカ濃度から,ベントナイト中の溶出シリカ質量百分率を求め,可溶性シリカ切片値Sitc (% SiO2/Bentonite) とした。鉱物組成は,粉末X線回折法又は定方位X線回折法によった。

図5.3 ベントナイト中の溶出シリカ質量百分率の求め方
図5.3 ベントナイト中の溶出シリカ質量百分率の求め方

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